「歯磨きやキシリトールガムで虫歯予防」という誤解

歯磨きやキシリトールガムについての考え方~「信じてはいけない!」(平成暮らしの研究会編)より

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「歯磨きやキシリトールガムで虫歯予防」という誤解

最近種類も増えてきたキシリトールガム。
信じてはいけない! 例えば「ムダ毛は剃ると濃くなる」は大誤解! (KAWADE夢文庫) 」によると、
市販のキシリトールガムは虫歯予防効果の含有量が低いそうで・・・

『虫歯は、口内のミュータンス菌や乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)が、歯のプラーク(歯垢)、窪み、詰め物の隙間などに付着することによって発生する。 糖アルコールの一種であるキシリトールは、とくにミュータンス菌が歯に付着するのを防ぐ効果がある。つまり、キシリトールガムを噛むことには、 それなりに虫歯予防の効果がある。ただし、一般に市販されているキシリトールガムは、キシリトールの含有量が低いので、これを噛んでいれば予防は万全ということではない。』

なるほど、コマーシャルの爽快なイメージほど全幅の信頼はできないということですね。
それと、歯磨きについてはどうかというと、

『歯磨きには、虫歯をもたらすミュータンス菌、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)、グルカン(多糖類の総称)のすみ家となるプラークを除去する効果がある。どうやら、 世界中の人が信じて疑わない歯磨きの効果は、きちんとした根拠をもっているようだ。だが、絶え間なくなにかを食べていると、口内細菌に栄養源をあたえつづけることに なり、歯磨きの効果もうしなわれしまう。最近のコンビニでは、スナックのコーナーがますます広がっている。間食時代の象徴である。つまり、朝晩の歯磨きでは 虫歯を予防しきれない、焼け石に水の構図が、そこに物語られているわけだ。』

歯磨きもキシリトールガムも一定の効果があることには違いがないが、
虫歯菌に栄養を与え続けるような食生活をしていては意味がなくなってしまう…ということですね。

関連:キシリトールはどれくらい効果があるの?

これで解消 歯の悩み―笑顔に自信が持てる本 」から、「キシリトールはどれくらい効果があるの?」という問いに対する歯科医の回答「原因になる糖質にとってかわる効果があります。」の解説を、少し長いですが抜粋させて頂きます。

『予防歯科の分野でキシリトール、フッ素、アップルフェノンなどといったものが注目されています。虫歯は虫歯菌(ミュータンス菌など)と、その栄養分となる糖質と、 歯の質の3要素がそろってはじめてできます(カイスの三ッの輪)。3つの要素がそろうと、虫歯菌が不溶性多糖類というものに変化し、歯垢となり、歯垢の中の菌が有機酸を作り、 歯のエナメル質を溶かしていきます。キシリトールは白樺やトウモロコシの芯などを原料として作られる人口甘味料で、砂糖と同じくらいの甘さがあるのが特徴です。 しかもこのキシリトールは虫歯菌に代謝されないため、菌が有機酸をつくることができません。従って、キシリトールは虫歯の原因にはなりません。 キシリトールはそれ自体が虫歯を退治するものではありませんが、虫歯の原因の一つである糖質にとって変わるという意味で効果があると思います。 正しい歯磨きやプラーとコントロールと平行して使ってみてはいかがでしょうか?』

いずれも場合も虫歯になりにくい一定の効果は認めつつも、
歯磨きなどその他の対策を怠ることがないようにという点で共通しているように思います。