歯科恐怖症

東京スポーツ2008年5月31日号「ちょっと気になるお口の病気」より

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歯科恐怖症

東京スポーツ2008年5月31日号「ちょっと気になるお口の病気」
『歯科恐怖症』
には、「いすに座っただけで緊張…歯医者自体が怖くて治療が受けられない」というサブタイトルのとおり、
歯医者が恐怖に感じる話と、麻酔各種をうまく用いて対策を講じる歯科医の取り組みが掲載されていました。
要点をまとめてお届けします。

歯科恐怖症とは?

歯科恐怖症とは、歯科自体が怖くて適切な治療を受けられないことをいいます。
原因は幼少期にあるようで、力で押さえつけられて治療をさせられたり、
痛いのを「これくらいガマンしなさい」と怒られたりした人が、その体験がトラウマなってしまい、
大人になっても歯医者にいけずに虫歯や歯周病を放置させる結果になってしまうということです。

東京都歯科大学水道橋病院では7年前から「リラックス歯科治療外来」
http://www.tdc.ac.jp/hospital/sh/sika/relax/index.htm
を開設。その歯科麻酔科長は、歯科恐怖症について
「恐怖心が高じて、ショック状態になったり、気を失うこともあるので軽視できません。
それに、恐怖心で治療から足が遠のき、20年以上も治療を受けたことがなくて、
口の中は虫歯だらけ、なんていうことも・・・。
事態は予想以上に深刻なんです(原文まま引用)」

そのため、次のような麻酔を施し恐怖心を和らげる取り組みが行なわれています。

なお、歯科麻酔の多くは自費診療になってしまう・・・ということです。

静脈内鎮静法

静脈内鎮静法は、治療前に鎮静剤を静脈内に点滴し、患者の意識レベルを下げる方法です。

私はかつて大腸検査の際に静脈内鎮静法を実際に体験しました。
お酒を多く飲んだ時のようなボーっとした状態になりますが、医師との会話も普通に行なえます。
(相手にはろれつが回っていないように聞こえているかもしれませんが・・・)

全身の感覚は鈍っている状態ですので痛みなく楽に検査を終えることができましたが、
おそらくこの歯科治療における麻酔でも恐怖心が薄れ、負担なく治療が行なえるものと思われます。

以下、静脈内鎮静法の説明箇所から引用します。

「歯科治療中の過度のストレスは、時に神経性のショック(反射)などの偶発的事象の原因となり、
高齢者などでは循環器疾患や脳卒中といった重い合併症の誘引になることが指摘されている。
静脈内鎮静法は、こうした精神的緊張を和らげる管理手法として普及しつつある。
臨床的には意識がなくなるまで深くない(意識下鎮静)ため、気道確保が可能で、
医師の指示に患者が反応することができる。副作用としては、呼吸抑制や舌根沈下などの軽微なものが
ほとんどで、適切な実施により治療への有用性が認められている。(原文まま引用)」