日経新聞2008年8月12日夕&Eye 病を知る「口腔の健康2 口臭」より
日経新聞2008年8月12日夕&Eye 病を知る「口腔の健康2 口臭」では、
口臭の原因となるものが舌苔で作られているとして、
朝食後に舌専用ブラシで舌苔を取り除く方法を紹介しています。
正しい舌苔掃除方法とは?舌苔の成分が歯周病に影響?など、要点をまとめてみました。
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舌苔(お役立ちリンク案内)
舌苔(ぜったい)・・・舌の上のあの白いモノですが、
これが口臭の原因の多くを占めるということで、
『口臭成分の約6割が舌苔で作られています。
舌苔は口の中の古くなってはがれた細胞や細菌が舌の上にたまったものです。
白っぽく、その名の通り、コケ(苔)が生えたように見えます。
歯槽膿漏(しそうのうろう)があると、余計たまりやすくなります。
細胞や細菌は他の部分にもたまりますが、うがいなどで取り除けます。
しかし、舌苔はうがいぐらいでは取れません。』
なお、国際口臭学会の分類によれば、
口臭の分類は次のようになっています。
(一部加筆)
【真性口臭症(社会的な容認の範囲を超えているもの)】
『生理的口臭症』…舌苔による口臭はココに入る。 ・体の変化や原因疾患がないもの。 (にんにくなど一時的なものは除く) 『病的口臭』 ・口腔の病気が原因のもの(口腔由来…口の中の病気や変化、機能低下によるもの) ・体の病気が原因のもの(全身由来…耳鼻咽喉、呼吸器疾患、内臓器疾患によるもの) |
【仮性口臭症】
患者は自分の口臭を訴えるが、実際には社会的な容認の範囲内であるもの。 |
【口臭恐怖症】
真性や仮性の治療では口臭の訴えの改善が期待できないもの。 (精神的なもので、歯科医師だけでの治療が困難なもの) |
ここでは、舌専用のブラシを使用した舌苔掃除方法を紹介しています。
朝食直後に、細かく軟らかい毛でできた舌専用のブラシを使い、次のような流れで行います。
掃除の回数は、舌を傷つけてしまう恐れがあるので1日1回で、
かき出す回数は100グラム以下の力でなら30回まで安全とされるが、
慣れれば、かき出す回数が10回ほどできれいになる。
なお、歯ブラシでやると、3、4回でも傷がついてしまうとのこと。
個人的には、歯磨きの後、そのままの歯ブラシで舌苔除去をしています。
歯磨きの最後ということで、歯磨き粉の辛さも気になりません。
歯科医の中でも、舌専用歯ブラシ派と普通の歯ブラシ派に分かれるようですが、
要はソフトに磨くことができればどちらでも良いのではないでしょうか。
舌苔掃除によって口臭防止になるばかりではなく、
味覚が敏感になるために、うすい塩分でも味をかんじるようになります。
その結果、減塩、生活習慣病予防にもつながります。
このような舌苔掃除以外にも、口臭の原因として朝食を抜く行為があげられます。
通常食べ物を噛んでいる間、舌の上で食べ物の塊を作るのですが、
これが舌を掃除してくれる役割にもなっています。
にんにくなどは別として、ゼリー状や流動食ではない固形の食事をきちんとすれば、
食事の直後の口臭の減少は、歯磨き直後よりも効果が大きいのです。
最後は、舌苔を放置するのが怖くなるようなお話です。(本文まま)
『舌苔ではたまった細胞のたんぱく質を細胞が分解して口臭成分を発生させる。
八重垣教授によると、口臭成分のほとんどは揮発性の硫黄化合物で、
主なものは硫化水素やメチルメルカプタンという物質だ。
硫化水素は有毒ガスとして知られるが、
「歯周病の大きな原因であり、また細胞のDNA(デオキシリボ核酸)にダメージを与えることも
最近わかってきました」(八重垣教授)。
微量とはいえ、口の中にないほうが望ましいという。』