NHK教育2008年(平成20年)3月19日きょうの健康から
NHK教育2008年(平成20年)3月19日きょうの健康という番組で、
高齢女性に多いという「ドライマウス」が取り上げられていました。
次のような症状がある方は、もしかしたらドライマウスかもしれません。
これらの症状が長く続くようですと、ドライマウスの可能性があるということです。
ドライマウスにはだ液が大きく関わってきます。
だ液が減ると口の中が乾燥してドライマウスとなり、
「口の中が痛い」「口がネバネバする」といった症状が出てくることがあります。
だ液が減る・・・原因は2つです。
だ液は口の中にたくさんある「だ液腺」から分泌されますが、
大きなだ液腺は次の3つになります。
これらの唾液腺から、1日に1.5リットルものだ液が分泌されます。
だ液の分泌が低下する原因は、次のようなものがあげられます。
「加齢」により体が衰えると、だ液の細胞にも影響してきて、あるデータでは若い人の6割くらいになってしまうというとのこと・・・ ドライマウスは50歳代以降の女性の方に多く、これは女性ホルモンとの関係が考えられるということです。
「薬の副作用」については、高血圧、うつ病、アレルギーなどの薬の副作用でだ液の分泌が低下することがあります。
「ストレス」については、人前でしゃべることなど緊張状態になるとだ液はネバネバしたものになる・・・リラックスした状態のときにはさらさらしただ液が分泌されます。
「糖尿病」は、病気がひどくなるとだ液腺がこわれることもあります。
「シェーグレン症候群」は自己免疫疾患で、自分の体が自分の体を攻撃するもの・・・だ液腺や、涙を出す涙腺を攻撃するとのこと。 目と口が一緒に渇くときはこういう病気が疑われます。
だ液の蒸発もドライマウスの原因になりますが、これは口で呼吸する習慣や口を開けている時間が長くなる時・・・夜に寝る時、いびきや歯ぎしりなどの習慣があるときに だ液の蒸発が起こります。
ドライマウスの治療には「原因療法」と「対症療法」があり、原則的には「原因療法」を試みて、それが難しい時に「対症療法」を行なうということです。 「ストレス」「糖尿病」「薬の副作用」は『原因療法』で原因そのものを取り去り、「加齢」「シェーグレン症候群」は『対症療法』で治療を行ないます。
ドライマウスへの対処法は「だ液の分泌を促す」「口の中の保湿」「だ液の蒸発対策」の3つがあります。
だ液の分泌を促すためにとられる対処は、
一般にも市販されている保湿剤を用いるもので、
これらで口の中を湿すようにします。
歯ぎしりやいびきなどについては、マウスピースを作って改善するという手段が用いられます。
鶴見大学ドライマウス外来における2002月11月~2007年4月の調査「最も気になる症状は?」での回答は次のようになっています。
ドライマウスの痛み・・・通常舌の表面はボツボツ・ザラザラしているものですが、ドライマウス患者の舌の表面は赤くツルツルの状態になっていました (テレビ画面上の症例写真にて)。口の周りも荒れた状態になっており、痛々しい映像でした。
なお、病院等にドライマウス専門外来がない場合には、「歯科」で診てもらえるということです。
日経新聞2008年3月30日号のSUNDAY NIKKEIアルファには、ドライマウスの手軽な改善法として、トレーニングで噛む力を鍛えてだ液の分泌を促す方法が掲載されていました。
このトレーニングは口の周りの筋肉を鍛えるもので、筋肉を付けてかむ力を強くし、だ液が出やすいようにするというもの。 1日2~3回程度で症状が改善し、『ドライマウス外来に来院した150人の患者に毎日一定のトレーニングをしてもらったところ、十六週間でだ液の分泌量が初診時の約2倍に増えた』 ということ。トレーニングの流れは次の通りです。
なお、ドライマウスの可能性を知る自己チェックが、NHKで放送されたものより多い8項目掲載されておりましたので、 こちらも参考として取り上げさせて頂きます。
最後に、ドライマウス専門のサイトへのリンクを一つ。→ ドライマウス研究会