読売新聞2008年(平成20年)7月4日金曜日夕刊「歯科医つれつれ記」より
読売新聞2008年(平成20年)7月4日金曜日夕刊「歯科医つれつれ記」
『むし歯の始まり唾液が修復』
には、唾液が虫歯を修復するしくみについての歯科医師の解説がありました。
書かれた内容から要点だけをお届けします。
唾液には、虫歯や歯周病の原因となる口の中の細菌を洗い流す役割があります。
しかし、昼間は唾液の分泌があるのでよいものの就寝中は唾液の分泌が充分に出ないため、
夜の口内は細菌が活発に活動できる環境となってしまいます。
(朝の口臭の原因にもなる)
そこで夜寝る前にはきちんと歯磨きをして、
口内の細菌を取り除いておくことが大事になってくるのです。
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驚きの『だ液』パワー
唾液には、もう一つ、歯のエナメル質を修復する役割もあります。
飲食中、細菌は糖分や炭水化物を利用して酸を発生させて、
わずかながら歯のエナメル質の表面をとかします。
これはむし歯の始まりと言えるものでもあるのですが、
唾液はこの減った部分を修復することもできるのです。
ただし、修復には溶けるスピードの何十倍もの時間がかかることから、
食後しばらくは何も食べない方がよいということです。
以上のことからも、長時間飲食を続けると虫歯になりやすいと言えます。
日刊ゲンダイ(2009年11月23日号)の「忘年会と虫歯の危険な関係」によると、
「虫歯の原因は虫歯菌が糖を餌に作り出す『酸』が歯のミネラル分を溶かすことによりますが、
唾液に多くのミネラル分が含まれており、歯を修復してくれます。
それを『再石灰化』といいますが、長時間飲食を続けていると、その再石灰化がうまく機能しなくなり、
虫歯になりやすくなるのです。」
そして、忘年会で出される食べ物・飲み物がくせもので、
・みかんやリンゴなどの果物
・ワインやレモンサワーなどの飲み物
・シメサバなどの食べ物
など、pH(ペーハー)5.5以下の弱酸性の飲食物が虫歯リスクを高めるとのこと。
(歯のエナメル質は口の中がpH(ペーハー)5.5以下になると溶け出す。)
対策としては、
「とにかく口の中を清潔にし、中性を保つこと。
そのためには、まめに歯を磨いたり、それが難しければ水やお茶で頻繁にうがいすることが効果的です。」
あるいは、シュガーレスガムを噛み唾液を出すという方法も紹介しています。
(機能性ガムならば歯からミネラル分が溶け出すのを抑え、溶け出したとしても再石灰化を促進。)